「アカウントのセキュリティ対策を強化したいけど、2段階認証と2要素認証って何が違うの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2段階認証と2要素認証の違いをわかりやすく解説し、セキュリティ対策の基礎知識から具体的な活用例までご紹介します。
2つの認証方式の違いを理解することで、より安全なアカウント管理を実現できるだけでなく、情報漏洩のリスクを軽減できます。
さらに、様々な場面で活用されている2段階認証と2要素認証の具体的な種類やメリット、関連する用語についても詳しく解説します。
より強固なセキュリティとして注目されているFIDOに関しては下記記事をご覧ください!
・FIDO認証とは?従来のパスワードと何が違うか分かりやすく解説
・FIDO2認証とは?仕組みやメリットを分かりやすく解説
セキュリティ対策の基礎知識:認証の3要素
認証には、大きく3つの要素が用いられます。
これらの要素を組み合わせることで、セキュリティレベルを高めることができます。
- 知識要素:ユーザのみが知っている情報
例)ID、パスワード、暗証番号など。 - 所有要素:ユーザだけが所有しているもの
例)スマートフォン、ICカード、USBトークンなど。 - 生体要素:ユーザの固有の特徴
例)指紋、顔、虹彩など。
2要素認証は、認証時に上記の要素のうち2つ以上を組み合わせる方法です。
例えば、IDとパスワード(知識要素)に加えて、スマートフォンに届くワンタイムパスワード(所有要素)を入力するなど、異なる種類の要素を用いてセキュリティを強化します。
一方、2段階認証は、認証時に2つの段階を踏む方法です。
例えば、まずIDとパスワードを入力し、次にスマートフォンに届くSMS認証コードを入力するなど、認証プロセスを複数段階に分けることで、不正アクセスを防ぎます。
2要素認証と2段階認証は、どちらもセキュリティ強化のための有効な手段ですが、仕組みが異なります。
2要素認証は、異なる種類の要素を組み合わせることで、より強固な認証を実現します。
一方、2段階認証は、認証プロセスを複数段階に分けることで、アカウント乗っ取りなどのリスクを軽減します。
要素1:知識要素
認証プロセスにおいて、ユーザの知識に基づく要素は、本人確認の重要な要素となります。
パスワードや秘密の質問といった情報は、知識要素の一例です。
これらの要素を用いた認証方法は、システム構築が比較的容易であることから、広く普及しています。
しかし、簡単なパスワードや公開されているメモなどの存在は、不正アクセスを招きやすい状況を生み出してしまいます。
特に、運営側の管理が不十分な場合、個人情報と共にパスワードが漏洩するリスクも潜んでいます。
知識要素を用いた認証の安全性を確保するためには、適切な管理と注意が必要です。
要素2:所有要素
所有要素とは、ユーザが所持するアイテムを用いて本人確認を行う認証方法です。
具体的には、ICカード、キャッシュカード、スマートフォンなどが所有要素に該当します。
スマートフォンを使った認証方法として、SMS認証と音声認証が広く利用されています。
SMS認証は、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)に送信されたパスワードコードを、Webサイトの入力画面に入力することで認証を行います。
一方、音声認証は、指定された電話番号にユーザが電話をかけ、音声による本人確認を行う認証方法です。
所有要素による認証方法は、所有要素が第三者に渡らない限り不正利用のリスクが低いため、効果的なセキュリティ対策と言えます。
要素3:生体要素
生体認証は、個人の身体的特徴を用いて本人確認を行う技術です。
指紋、顔、虹彩、静脈など、さまざまな生体情報が認証に使用されます。
生体認証システムは、パスワードやICカードに比べて、より安全で利便性の高い認証手段として注目されています。
生体情報は、個々人に固有で、複製が困難であるため、不正アクセスに対して高いセキュリティ対策を提供します。
また、生体認証は、パスワードを覚える必要がないため、ユーザの負担を軽減することができます。
さらに、専用の機器があれば、認証プロセスを簡素化できるため、迅速な本人確認が可能です。
これらの利点から、生体認証は、金融機関、企業、政府機関など、さまざまな分野で導入が進んでいます。
2段階認証とは?
2段階認証は、ユーザの本人確認を強化するために、2つの異なる認証プロセスを組み合わせるセキュリティ対策です。
一般的な例としては、パスワード入力後に、スマートフォンに送信されたワンタイムパスワードの入力などが挙げられます。
従来のパスワード認証では、パスワードが盗難されるリスクがありましたが、2段階認証では、たとえパスワードが盗難されても、2段階目の認証を突破することは困難です。
そのため、アカウントへの不正アクセスを効果的に防ぐことができます。
2段階認証は、オンラインバンキングや電子メールアカウントなど、重要な情報へのアクセスを保護するために広く利用されています。
多要素認証とは?
多要素認証は、2要素認証をさらに拡張した概念で、パスワードに加えて、2つ以上の異なる認証要素を用いるセキュリティ対策です。
2要素認証では、パスワードと携帯電話またはメールアドレスのいずれかを認証要素として用いますが、多要素認証では、これらに加えて、生体認証やセキュリティキーといった、さらに別の認証要素を追加することも可能です。
多要素認証は、2要素認証よりもさらに強力なセキュリティ対策となり、より高いレベルのセキュリティが求められる状況に適しています。
2段階認証と2要素認証の違い
2段階認証と2要素認証は、アカウントへの不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策として広く利用されています。
どちらもアカウントへのアクセスを許可する際に、2段階の認証プロセスを必要とする点は共通しています。
しかし、重要な違いは「認証に用いる要素の数」にあります。2要素認証は、異なる要素を組み合わせることでセキュリティを強化する一方、2段階認証は同一の要素を複数回用いる場合もあるため、2要素認証よりもセキュリティレベルが低い可能性があります。
例えば、2要素認証では、パスワードと携帯電話へのSMS認証コードの組み合わせが一般的です。
一方、2段階認証では、パスワードとパスワードの再入力といった同一の要素を用いる場合があります。
このように、2要素認証は異なる要素を組み合わせることで、より高度なセキュリティ対策を実現しています。
2段階認証と2要素認証の種類と活用例
アカウントへの不正アクセスから身を守るための重要なセキュリティ対策として、2段階認証と2要素認証があります。
2段階認証では、パスワードに加えて、携帯電話などのデバイスに送信されるワンタイムパスワードの入力が必要になります。
一方、2要素認証では、パスワードに加えて、指紋認証や顔認証などの生体認証を利用します。
それぞれの認証方式には、メリット・デメリットがあります。
どちらの認証方式を選択するかは、セキュリティレベルと利便性のバランスを考慮して判断する必要があります。
2段階認証の種類:メール、アプリなど
アカウントへのアクセスを強化するために、メールアドレスとパスワードに加え、携帯電話などの別のデバイスにコードを送信することで、アカウントへのアクセスをさらに保護することができます。
このコードは通常、メールアドレスまたはモバイルアプリを通じて送信されます。
メールアドレスを用いて2段階認証を設定した場合、アカウントにアクセスするたびに、アカウントに関連付けられたメールアドレスにコードが送信されます。
このコードを入力しないと、アカウントにアクセスできません。同様に、モバイルアプリを使用して2段階認証を設定すると、アカウントにアクセスするたびに、アカウントに関連付けられたモバイルアプリにコードが送信されます。
このコードを入力しないと、アカウントにアクセスできません。
2段階認証は、アカウントのセキュリティを強化する有効な手段です。
不正な人物がアカウントにアクセスしようとした場合、その人物はアカウントに関連付けられたメールアドレスまたはモバイルアプリにアクセスして、コードを取得する必要があります。
これにより、アカウントを不正アクセスから守ることができます。
メール認証
アカウントへのアクセスを保護するため、多くのオンラインサービスでは、メールアドレス宛てにワンタイムパスワードや認証用のURLを送信する二段階認証システムを採用しています。
このシステムでは、まずパスワードを入力してログインした後、メールアドレスに送られたワンタイムパスワードを入力するか、認証用のURLをクリックすることで、アカウントへのアクセスが許可されます。
二段階認証システムでは、パスワードとメールアドレスという2つの異なる要素を用いることで、セキュリティを強化しています。
パスワードのみでログインできる場合に比べて、不正アクセスをより効果的に防ぐことができます。
特に、重要な個人情報や金融情報を取り扱うサービスでは、二段階認証システムを導入することで、アカウントのセキュリティを大幅に強化できます。
二段階認証の仕組みは、サービスによって若干異なる場合があります。
例えば、一部のサービスでは、SMSメッセージでワンタイムパスワードを送信する場合もあります。
また、認証アプリを利用することで、ワンタイムパスワードを自動的に生成することも可能です。
二段階認証システムの具体的な設定方法については、各サービスのヘルプページなどを参照してください。
- ワンタイムパスワードは、通常は数分間のみ有効です。
- 認証用のURLは、通常は一度のみ有効です。
アプリ認証
アプリ認証ではパスワード入力に加え、スマートフォンアプリを用いた認証コードの入力や、QRコードの読み取りが求められます。
例えば、Google Authenticatorなどの専用アプリを使用することで、アカウントへのアクセスがさらに安全になります。
アプリは、ランダムな認証コードを生成し、ユーザはそれを指定された場所に手動で入力することで認証を完了させることができます。
また、QRコード認証では、スマートフォンでQRコードを読み取ることで、認証が完了します。
2段階認証は、特に重要なアカウント、例えば銀行口座やソーシャルメディアアカウントなど、不正なアクセスによる被害が大きいアカウントに利用されていることが多いです。
2要素認証の活用例:銀行、ホテルなど
現代社会において、2要素認証はセキュリティ対策として欠かせない存在です。
日常的に利用される場面は多く、金融機関のATMやインターネットバンキング、宿泊施設のセキュリティボックスなどが挙げられます。
銀行のATMでは、キャッシュカードの暗証番号に加えて、携帯電話に送られるワンタイムパスワードを入力することで、本人確認が行われます。
これにより、キャッシュカードが盗難されても、ワンタイムパスワードを知らない限り不正な引き出しは不可能になります。
インターネットバンキングでは、IDとパスワードに加えて、スマートフォンにSMSで送られる認証コードを入力することで、本人確認を行います。
この認証コードは、毎回異なるものが発行されるため、第三者が盗み見たり、盗用したりすることが困難です。
ホテルのセキュリティボックス
ホテルのセキュリティボックスは、高いセキュリティ対策が求められるため、鍵に加えてパスワードによる二重認証を導入しているケースが一般的です。
この二重認証システムは、パスワードという知識要素と鍵という所有要素を組み合わせることで、不正アクセスを防ぎます。
そのため、たとえホテル従業員が合鍵を持っていたとしても、宿泊客が設定したパスワードを知らない限り、セキュリティボックスを開けることはできません。
セキュリティ対策として、近年では静脈認証システムの導入も進んでいます。
静脈認証は、生体情報である静脈パターンを用いることで、より高いセキュリティを実現する画期的なシステムです。
このシステムの導入により、従来のパスワードによる認証よりも、安全性と利便性が向上すると期待されています。
セキュリティ対策の要点
ここまで、2段階認証と2要素認証の違いやそれぞれの特徴を解説してきましたが、これも昨今ではセキュリティ面で問題が指摘されています。
2段階認証や2要素認証はIDとパスワードだけのころに比べれば安全面の向上はしました。
しかし、それでもフィッシングなどの被害にはあってしまう可能性があります。
アメリカでは政府機関は従来の多要素認証(MFA)を使用することを禁止しており、FIDOベースのものを利用すべきとしています。
ウィンマジックではFIDOベースのMagicEndpointを提供しており、次世代のパスワードレス認証として活用いただけます。
MagicEndpointはユーザの代わりにエンドポイントがリモートサービスの認証を行うため、ユーザの認証アクションとパスワードが不要になり、ユーザとデータを安全な状態に保つことができます。